2010年 10月 19日
No.1135 10月19日(火):何故、「価値の追求」か? |
★このブログは毎日更新予定です。(意気込みレベル)
こんにちは。遠藤です。今日は某行事が滞りなく終了しラッキー!でした。
さて、今週のメルマガの推薦本では「安売りしない会社はどこで努力しているか?」を紹介しました。
この本には、「単なる安売りに走らずに価値を高めることに主眼を置き、小さい会社ほどその取り組みを徹底すべきだ」ということが書いてあります。
私の見解として、「中価格帯」のクラブが、「●回会員」とか「●分会員」とかを導入するのは「戦略の放棄」であるということも思い切り記しました。
メルマガでは長いコメントを控えていることもあり触れなかったのですが、本日のブログでは、「何故、フィットネス業界が安売りに走ってはいけないか?!」、「何故、価値を追求しなければいけないか?!」についての続きを、常日頃、当社、伊藤と議論し、共有している見解を中心にしながら述べたいと思います。
今回は業界誌に出してもいい内容だと思っています。手前みそながら、このような内容こそ「思考のきっかけ」として参考にしてほしいと願っています。
まず、「大前提」となることは、「フィットネス」という行為(商品)自体が、現代の人間の生活にとって不可欠なものであり、「フィットネス」=「価値そのもの」であると捉えていることです。
「フィットネス」という商品は、「人類最強の価値」を持つものです。
10兆円市場といわれる「健康産業市場」で「最強」のものなのですが、業界関係者がその価値を認識せずに、現場を軽視し価値を磨く努力をしないから、わずか「4000億円」、つまり、4%のシェアしか取れないのです。
仮に月会費が1万円だとしても、他の健康市場商品やサービスに比して、決して高いものではありません。
続いては、「フィットネス業」というものが「産業特性」として、価格を競争力の中核に据えることが不向きだと考えていることです。
私達がそのように考えている理由は大きく以下の「3+1」です。
1つ目は、商品として「規模の経済性」を享受することが難しい業態だからです。「フィットネス業」は、「小売り業」などのように大量仕入れをしてモノを販売するわけではなく、「サービスの同時性」によって生産と消費が同時にその場で起きるのです。このことは、仮に企業規模が大きくなっても、「小売り業」のように「規模の経済性」を発揮することが難しいことを表し、これが価格競争力の足かせになります。
2つ目は、施設を使用したサービスを提供していることから、「キャパシティ」という概念が存在することです。これは「売上の非効率」とも言い表せます。例えば、「製造業」であれば、商品のシェアが高まった段階で、大規模な増産を図れば生産コストの「効率化」が達成され、そこからは一気に利益を伸ばすことができます。しかし、「フィットネス業」は単価を下げて会員数を増やしても、「キャパシティ」によって「限界売上」が規定されます。これも、価格競争力の足かせになります。
3つ目は、もっとも重要なことなのですが、激しい価格競争に陥った際、それ以上のローコストオペレーションをしようと考えることで、「商品の基本価値を毀損する可能性が高い」という点です。「フィットネス業」は、店舗数を拡大しても、ローコスト化を図る余地が少ない業態です。となれば、当然、圧迫を受けるのが「人件費」です。はっきり言って、社員をレッスン漬けにして人件費の効率を図ったり、店長の年収が300万円ですとか、400万円ですとかいうのは「基本価値の毀損」以外の何物でもありません。このモデルは店舗数は増えても、人材は育ちません。
+1の4つ目は、所謂、「客層が悪化する」ことです。これは、様々な実体験上、ほぼ間違いないと言っていいでしょう。「お客さま」にとって、もっともストレスなことは、施設が汚い、施設が混んでいる、スタッフの態度が悪い、そして、「利用客の雰囲気やマナーが悪い」ということです。もちろん、その雰囲気等に違和感を感じない人はそのまま残ります。その残った方々でビジネスは可能ですが、こういうクラブを志向する経営者は少ないはずです。
このような、そもそもの価値論、および、客観的な産業特性(4つ目は少し違いますが)を加味して考えた場合、私達は価格が競争力の中心になるには一定の限界があると考え、だからこそ、価値を高める経営をすべきだと一貫して主張しているのです。
このような主張をすると、「安売りで勝負したくない」という、多くの経営陣に「そうだそうだ!私もそう思う!」と賛同をいただけます。
しかし、そこでも私は「ちょっと待ってください」と言いたいのです。
ここに私が述べたような考えを、貫き、実行し、実現するには、経営者の「異常なまでの覚悟」が必要になります。
経営者が「心の底から」そのように考えない限り、「価値の差別化」が実現することは100%ないと断言します。
経営者(陣)がタバコを吸っていたり、現場にも行かなかったりで、さらには、リーダー教育やトレーナー教育に投資もせず、サービスの第三者チェック(ミステリーショッパー等)もしていませんなどというクラブは、「価値勝負」などできるはずもなく、中途半端に「埋没」していくのが確実です。
将来的な淘汰の波をくぐり抜け、その存在意義を認められるようになるには、いまこの瞬間からそれらを実行すべきだと思います!
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こんにちは。遠藤です。今日は某行事が滞りなく終了しラッキー!でした。
さて、今週のメルマガの推薦本では「安売りしない会社はどこで努力しているか?」を紹介しました。
この本には、「単なる安売りに走らずに価値を高めることに主眼を置き、小さい会社ほどその取り組みを徹底すべきだ」ということが書いてあります。
私の見解として、「中価格帯」のクラブが、「●回会員」とか「●分会員」とかを導入するのは「戦略の放棄」であるということも思い切り記しました。
メルマガでは長いコメントを控えていることもあり触れなかったのですが、本日のブログでは、「何故、フィットネス業界が安売りに走ってはいけないか?!」、「何故、価値を追求しなければいけないか?!」についての続きを、常日頃、当社、伊藤と議論し、共有している見解を中心にしながら述べたいと思います。
今回は業界誌に出してもいい内容だと思っています。手前みそながら、このような内容こそ「思考のきっかけ」として参考にしてほしいと願っています。
まず、「大前提」となることは、「フィットネス」という行為(商品)自体が、現代の人間の生活にとって不可欠なものであり、「フィットネス」=「価値そのもの」であると捉えていることです。
「フィットネス」という商品は、「人類最強の価値」を持つものです。
10兆円市場といわれる「健康産業市場」で「最強」のものなのですが、業界関係者がその価値を認識せずに、現場を軽視し価値を磨く努力をしないから、わずか「4000億円」、つまり、4%のシェアしか取れないのです。
仮に月会費が1万円だとしても、他の健康市場商品やサービスに比して、決して高いものではありません。
続いては、「フィットネス業」というものが「産業特性」として、価格を競争力の中核に据えることが不向きだと考えていることです。
私達がそのように考えている理由は大きく以下の「3+1」です。
1つ目は、商品として「規模の経済性」を享受することが難しい業態だからです。「フィットネス業」は、「小売り業」などのように大量仕入れをしてモノを販売するわけではなく、「サービスの同時性」によって生産と消費が同時にその場で起きるのです。このことは、仮に企業規模が大きくなっても、「小売り業」のように「規模の経済性」を発揮することが難しいことを表し、これが価格競争力の足かせになります。
2つ目は、施設を使用したサービスを提供していることから、「キャパシティ」という概念が存在することです。これは「売上の非効率」とも言い表せます。例えば、「製造業」であれば、商品のシェアが高まった段階で、大規模な増産を図れば生産コストの「効率化」が達成され、そこからは一気に利益を伸ばすことができます。しかし、「フィットネス業」は単価を下げて会員数を増やしても、「キャパシティ」によって「限界売上」が規定されます。これも、価格競争力の足かせになります。
3つ目は、もっとも重要なことなのですが、激しい価格競争に陥った際、それ以上のローコストオペレーションをしようと考えることで、「商品の基本価値を毀損する可能性が高い」という点です。「フィットネス業」は、店舗数を拡大しても、ローコスト化を図る余地が少ない業態です。となれば、当然、圧迫を受けるのが「人件費」です。はっきり言って、社員をレッスン漬けにして人件費の効率を図ったり、店長の年収が300万円ですとか、400万円ですとかいうのは「基本価値の毀損」以外の何物でもありません。このモデルは店舗数は増えても、人材は育ちません。
+1の4つ目は、所謂、「客層が悪化する」ことです。これは、様々な実体験上、ほぼ間違いないと言っていいでしょう。「お客さま」にとって、もっともストレスなことは、施設が汚い、施設が混んでいる、スタッフの態度が悪い、そして、「利用客の雰囲気やマナーが悪い」ということです。もちろん、その雰囲気等に違和感を感じない人はそのまま残ります。その残った方々でビジネスは可能ですが、こういうクラブを志向する経営者は少ないはずです。
このような、そもそもの価値論、および、客観的な産業特性(4つ目は少し違いますが)を加味して考えた場合、私達は価格が競争力の中心になるには一定の限界があると考え、だからこそ、価値を高める経営をすべきだと一貫して主張しているのです。
このような主張をすると、「安売りで勝負したくない」という、多くの経営陣に「そうだそうだ!私もそう思う!」と賛同をいただけます。
しかし、そこでも私は「ちょっと待ってください」と言いたいのです。
ここに私が述べたような考えを、貫き、実行し、実現するには、経営者の「異常なまでの覚悟」が必要になります。
経営者が「心の底から」そのように考えない限り、「価値の差別化」が実現することは100%ないと断言します。
経営者(陣)がタバコを吸っていたり、現場にも行かなかったりで、さらには、リーダー教育やトレーナー教育に投資もせず、サービスの第三者チェック(ミステリーショッパー等)もしていませんなどというクラブは、「価値勝負」などできるはずもなく、中途半端に「埋没」していくのが確実です。
将来的な淘汰の波をくぐり抜け、その存在意義を認められるようになるには、いまこの瞬間からそれらを実行すべきだと思います!
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by fitnessbiz-01
| 2010-10-19 22:20