No.3219 7月2日（土）：学長に訊け！Ｖｏｌ.179（通巻369）

※毎週土曜日は「学長に訊け！」です。

【今回のご相談】　
「ＦＢＬ大学の課題で『あなたのクラブはお客さまと会っている場所で何によって価値提供していますか？』という設問がありましたが、『入会初期の方へのカウンセリング』以外に思い浮かぶものがなく、改めて数字を追っているだけの毎日になっていることを痛感しました」

【現場たたき上げの遠藤からのアドバイス】
（ご相談者が働いているのは誰もが知るクラブですが）、経営者でも上司でも、日頃から「価値提供」という言語を使用し、それを具体的行動に反映させている人が「１名」でもいるでしょうか？

それ以前に「価値」の意味を定義できる人がほとんどいないと思います。

「入会初期の方へのカウンセリング」といったところで、クラブ側が「初月、２ヶ月目、３ヶ月目にサポートします」と一方的に言っているだけで、その受講率を正確に把握し、対策を講じているクラブはほとんどないはずです。

おそらく、３ヶ月目になれば、どれだけ多目に見ても「半分」すら受講していないでしょう。

自分たちが「価値」だと思っているサービスでさえ、早々に見切りをつけられているのが現実なのです。

大多数の会員さんがフリーで滞在するジムの中を見ても、明らかにトレーナー数が不足しています。

そもそも「お客さま数に対する適正人数を配置する」という発想もないはずです。

トレーナーの専門力も高いとはいえないし、それ以前の問題として「バイト」が立っています。

したがって、実体は「ほぼ全会員」が「放置状態」になっているわけです。

これこそが問題なのですよ。

口ではサービスとか、人材育成とか、クオリティが大切だとか言っておきながら、やっていることはまったく違います。

それを怒り狂ってでも是正しないことが、長年に渡るこの業界の根本的な問題点なのです。

なのに、現場を見ることもなく数字だけを見て、入会未達とか利益未達とか、そんなことばかりに怒り狂っている。

本当にやっていることのレベルが低いと思います。

これなら「無人ジム」にして、会費を安くしてくれた方がありがたいです。

言っていることと、売っているものが違うことを「詐欺」っていうんですよ。

そこに悪意はないとしても、そういう事実がある時点で「実質、詐欺同然」だと私は思います。

と、私が言っても、現在、役職者の地位にある面々は「現状肯定」で何も変えようとしません。

「あいつ、何、言ってんだ」くらいのものです。

繰り返しますが、これを３０年間くらい繰り返してきたのです。

ＴＶにしても映画等にしても、内容がつまらなければ視聴率は取れないし、劇場に観客が来るはずがないでしょう。

これと同じで「価値」を追求せずに「数字」を追いかけるなど「あり得ない」と認識すべきです。

特に若い人たちには日頃の「当たり前」を徹底的に疑ってほしいです。

その上で現状に疑問を感じ、それが是正されていく見込みがないのであれば、そんな企業は早々に見切るべきだと思います。

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